心と戦略経営


 奥城良治さんは、日産自動車で一六年間セールスマンとしてトップの座を持ちつづけた人です。彼はなぜこのような業績を成し遂げることが出来たのでしようか。
 
 彼は自分に一日百社を訪問するというノルマを課し、その目標を達成しなければ、その分次の日の目標を高くし、目標をオーバーすればその分翌日の目標を低くしました。自分自身にノルマを課すという厳しい掟を作り、自己管理をしました。
更に営業成績の上っているセールスマンを見つけると、同行セールスを依頼し相手のセールス技術の習得に努めました。
特に気を付けたのは心の持ち方でした。
セールスは冷酷な断りのメッタ打ちです。訪問しても断りの連続の毎日です。プライドや自尊心を傷つけられ、野良犬のようにすごすご帰る姿から、顔面神経痛のような顔の歪みが生じます。こうした無常で冷酷な断りは、まじめに一生懸命訪問しつづけるセールスマンにとって、精神的な打撃となります。
 「こんにちは」と挨拶し、車のセールスをします。すると「車は要りません。結構です」という人情のかけらも持ち合わせていない薄情な言葉が返ってきます。思わず「ちくしょう」と相手を恨みます。
ところがセールスを何年も続けていくうちに、百件訪問すると一台売れるという事が解かってきました。言い換えますと一台売るには九十九回の嫌な思いをしなければいけないということなのです。

 つまり、嫌な思いを九十九回受ければ一台が売れるという事なのですね。九十九回の断りは彼にとってはありがたい言葉です。
「ごめんください。日産自動車でございますが・・・」
ピシャリと冷たいお断り。
「はい、よくお断りいただきまして、ありがとうございます。九十九件の断りがないと一台売れませんので、お断りいただいて感謝しています」と自分に言い聞かせ「また先へいってご都合がよかったらお電話ください」とニコニコしながら名刺を置いてくる。
 手厳しいお断りの言葉は、車を売るのに必要な一里塚。彼にとっては感謝の言葉です。

セールスで売れない最大のガンは「さぼり」です。もう一つ恐ろしいのは「錯覚」です。この二つのワナを防ぐには、数字を克明に記録することです。飛び込み数、訪問数、電話数、手紙数、紹介数等克明に記録し、毎月その数のノルマを設定する。これが自己管理の大切な秘訣です。自分で自分にサボれぬ仕組みを作ること、仕事の時間は鬼となる。問答無用。相手が誰であろうと、心を強くし徹底して前に出る。しかし五時を過ぎると心は仏となる。この二刀使いが心の管理をするうえで大切です。
 心の持ち方によって会社経営が変わります。安心経営の秘訣は心の持ち方です。


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2015年03月13日 Posted by 株式会社気づきの経営計画 at 15:31Comments(0)経営雑学

ブックオフの戦略


古本屋を上場企業まで育てたのが橋本真由美さんです。
橋本さんは、ブックオフ設立時にパートとして入社され、数々の改革を実践してついにブックオフを上場企業まで育てました。

町に点在する古本屋のイメージは、店が暗くて古い本が並び汚く、店主も暗くて若者には疎遠です。
ブックオフは違います。店は明るく本が綺麗、店員は若くて明るい、若者も立ち寄る店です。

ブックオフが躍進できたのは、既存の古本屋から脱皮できたからでしょう。
ブックオフ開店当初入社した橋本さんは、古本屋の経営に素人でしたので本を購入する基準を中身で判断せずに汚れの程度で判断したといいます。
汚れている本は洗剤で磨きました。
売れ筋が遅い本は百円にダンピングし、売れなければ棚の本を入れ替えお客様のニーズを探し続けました。
ちょうど日常品のリサイクルショップと同じ形態です。
推理小説の場合は読み捨てですね。読者からすれば、本屋で五、六百円出して買うくらいならブックオフで百円の本が陳列されている本棚に足を運びます。
推理小説が百円で買えるブックオフは消費者の見方です。

ブックオフがここまで成長した秘訣は何でしょうか?
経営者とパートの橋本さんの心を探ってみました。

第一 『店を大きくしよう』 
設立当初から経営者は「店を大きくしようと」考えていました。この出発点が大切です。会社を大きくしようという意識こそが成長の原点です。
第二 『人に負けない努力をする』
橋本さんは「成長するための知恵や工夫を沢山する」「人に負けない努力をする」ということに一所懸命でした。
第三 『社員が生き生き働く環境を整える』
店が大きくなるにしたがい社員の成長が会社成長の秘訣です。社員を育てるには大変な苦労をしました。ハワイ旅行に社員を接待するなどお金も使いました。

どこの町にも古本屋はあります。
その古本屋が「考え方」「やり方」を替えただけでビッグ企業になりました。
 
橋本さんの足跡を研究して橋本さんと同じ想いを抱き、同じ道を歩むことができれば、どの企業も今日以上の経営成果が得られるものと思います。

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2015年02月27日 Posted by 株式会社気づきの経営計画 at 10:03Comments(0)経営雑学

考え方×熱意×能力

考え方×熱意×能力


稲盛さんは心の経営を唱えています。
人や企業は『考え方×熱意×能力』で決まるといいました。
言葉の意味を吟味し、一生懸命仕事に打ち込むと、不思議と成功します。
例えば「熱意」という言葉についてどのくらい深く掘り下げる事ができるでしょうか。
深く考えない方は数分で終わります。誰しもそういう浅い世界の中で言葉を交わしています。
ですから、人の評価を、年齢や、経験、学歴、肩書きで判断しがちです。

Mさんという女性がいます。仕事に熱意がありません。頭が良く、いつも成績はトップ。ある事情で仕事を辞めました。ところが、学力の高さから仕事はいくらでも舞い込みます。

一方、K先生は、熱意の塊です。学期末試験前になると生徒の家を一軒づつまわって生徒の勉強の進歩を確認し、励ましました。

学校経営が難しくなる今日、有名校になったものもありますが、生徒が集まらず廃校する学校も後を絶ちません。

どこが違うかというと「熱意」と「考え方」だと思います。


Mさんに新しい仕事が舞い込みました。
新しい職場で、勉強会を提案されました。さすが高学歴者だと感心しましたら、その勉強会は自分の趣味の勉強会でした。
このような姿の中で会社の組織人として好ましくない、忠告されましたが、時間外にする勉強だから何してもかまわないではないかと主張します。

「あなたの考え方は違っている」といったところで気付かない人にいくら唱えても話が通じません。
「考え方」「熱意」というものは、頭の良し悪しではなく生き方の問題です。
Mさんのような秀才でも気付かないのが人間です。

私達も、Mさんと同じように、身勝手な判断をし、気付かぬうちにたくさん失敗をしています。
稲盛さんは、一生懸命仕事をしなさいといいました。
一生懸命仕事をすることで気付かぬ失敗を補ってくれるからではないでしょうか。


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2014年03月10日 Posted by 株式会社気づきの経営計画 at 14:42Comments(0)経営雑学

消費税率引上げ対応

消費税率引上げ対応

消費税率が本年4月1日に3%引上げ、8%になります。
そのため、中小企業の経営に影響を及ぼします。そこで、中小企業の消費税率引上げ対策を考察します。

問題点は次の3点です。
①消費税率の引上げで税負担が増える企業があります。
②消費税率の引上げ分を売価に転嫁できない企業があります。
③資金繰りが苦しくなる企業があります。 
消費税は企業にとって預かり金ですから本来は税負担がありませんが、免税業者や簡易課税制度を選択する中小企業は注意が必要です。

年間売上1千万円以下の企業は免税業者です。免税業者であっても、仕入や経費を支払う際に引上げられる3%の税負担が発生します。
この免税業者が消費税の引上げに伴う駆け込み需要で売上が1千万円を超えると課税業者になります。このような場合には、大きな税負担が生じます。

簡易課税制度を利用する企業の納付する消費税額は、売上に応じて決まります。売上が増えると納付する消費税も増えるということです。消費税率が引上げされた後に納品すると税負担が増えます。
3月末中に商品を納品することです。

中小企業の場合、消費税率の引上げが円滑かつ適正な転嫁ができるか疑問です。
引上げが転嫁できないと経営に大きな負担となります。価格転嫁は企業の存続に係わることから同業者、組合、商工会、セミナー等で情報を収集しましょう。その中から良いアイディアが生まれます。
①事業全体で売上・利益を検討する。
②転嫁できる商品を見つけ出す。
③過去の税率引上げデーターを分析する。
④適正な原価を把握しコストを下げる。


消費税の引上げ間際になると消費者の駆け込み需要が予想されます。これはビジネスチャンスですが、この需要は、4月以降の需要を先取したものですから、4月以降は仕事量が減少することが予想されます。そのため、駆け込み需要があるからと言って設備投資をすることは慎重にすべきです。
消費税は所得税と異なり利益が無くても納税が発生します。納税資金を日頃から意識していないと資金繰りに苦しみます。
納付すべき消費税を予測し、金融機関の定期積立の利用を勧めます。

在庫や売掛金が毎年一定の場合、消費税率の引上げ分だけ資金が必要となります。資金繰りには万全の注意が必要です。


  


2014年03月03日 Posted by 株式会社気づきの経営計画 at 13:23Comments(0)経営雑学

すなおな心

すなおな心


最近「すなおな心」が成功の秘訣といわれます。
一体「すなおな心」とはどんな心でしょうか。
「すなお」という言葉はやさしい言葉です。
幼い子に「すなおな子だね」と使う場合は、親の言う事を聞き、親の言い付けに従って反発せず、親に逆らわない子を褒めるときに発する言葉です。
「おとなしい」「従順」「純情」のように、受身で何も抵抗しない姿によく使われます。
人の話をおとなしく聞く人も 「すなおな人」と一般に理解されます。

京セラの会長稲盛和夫さんは「すなおな心」について次のように述べています。
『自分自身の至らなさを認め、そこから努力をするという謙虚な姿勢のことです。
とかく能力のある人や、気性の激しい人、我の強い人は往々にして人の意見を聞かず、例え聞いても反発をするものです。
しかし、 本当に伸びる人は 「すなおな心」を持って人の意見をよく聞き、常に反省し、自分自身をみつめることのできる人です。
そうした「すなおな心」でいると、その人の周囲にはやはり同じような心根を持った人が集まってきて、物事が上手に運んでいくものです。
自分にとって耳の痛い言葉こそ本当は自分を延ばしてくれるものであると受けとめる謙虚な姿勢が必要です。
「すなおな心」とは自分の至らなさを反省し、謙虚に自分をみつめ、反省する心の姿勢だ』
と言っています。

人の話をよく聞く、その話の中で「なるほど」「そうだね」という心のあいづちを打ちながら、至らぬ自分を反省し、前向きに直そうとする心の動きを言います。
世の中では人の話をよく聞く人が「すなおな心」持ち主だと思われがちです。
一見このような人が素晴らしい人のような気がします。
けれども、このような人の中には自分の意見に主体性がなく、自分の至らなさに気づかない人が多いようです。
自分自身を見つめ、反省しているわけではなさそうです。

本当に「すなおな心」の人は謙虚な気持ちで自分自身の至らなさを反省しようとします。
自分を直すために日々修行する、そんな心の持ち主です。
松下幸之助は、「すなおな心」があったから成功したとも言われます。
『すなお』の解釈を誤ると、成功する人も失敗してしまいます。



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2013年09月24日 Posted by 株式会社気づきの経営計画 at 15:45Comments(0)経営雑学

ランチェスターの法則

ランチェスターの法則


 「ランチェスターを知らない経営者は電話帳から姿を消す」とデミング博士は言いました。

ランチェスターは、一八六八年イギリスで生まれました。飛行機理論や空気力学に精通していた彼は、飛行機が今後の戦争に及ぼす影響について雑誌に掲載しました。この記事の中の「集中の法則」「N2乗の法則」がランチェスター法則です。

第一時世界大戦後、アメリカの国防総省は日本との戦いに備え、ランチェスター法則に着目し、他の理論と組み合わせ戦略プランを作成しました。
兵力数を「量」と考え戦略攻撃とし武器性能を「質」と置き換えました。
そこから導き出されたのが次の算式です。

量の2乗×質=N2乗の法則

N2乗の法則の法則から導き出された割合を基に国家予算を物量戦に2/3、直接敵軍の攻撃に1/3と配分しました。物量作戦の成功はランチェスター法則の正しさを実証しました。
ランチェスターの没後日本で経営戦略を応用する研究が進みました。
小さな会社は、大企業と同じやり方では経営が成り立ちません。大企業で取り扱わない商品を販売するとか、大企業の影響を受けない地域を選ぶなど工夫が必要です。

これを「弱者の戦略」とも言われています。
ランチェスター法則からすれば、金を稼ぐ活動に2/3の予算を投入し、その他の管理活動の予算は1/3にすると効果が最大に成ると言えます。

経営は戦略と戦術を意識して行動しないと企業業績は向上しません。

どうすればナンバーワン企業になれるでしょうか。
弱小企業は大企業と同じ土俵に上って相撲を取ってはいけない、弱小企業は地域を限定し局地戦に徹するということです。
大企業が取り扱わない商品を見つけ出すとか、もし、同じ商品なら高級品とか特殊な商品などで戦います。

ランチェスターの『集中の法則』では兵力数が多いほど成果は大きく損害は少ないといいます。戦力が限られていますから戦いの範囲を細分化し特定場面に資源を集中的に投入すると機運がつかめます。
規模が小さくても、ささいな事で良いからナンバーワン商品を作ることです。次々にナンバーワンを作りるといった積重ねから成功の階段を昇る事ができます。


㈱気付きの経営計画
税理士  大沢利充


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2013年09月02日 Posted by 株式会社気づきの経営計画 at 13:39Comments(0)経営雑学